《健太郎と春菜》

 高三の夏から交際を始め、そのまま25歳で結婚した春菜と健太郎。

 

 月影春菜は幼い頃から画才に長けていて、『すずかけ工業高等学校』でもデザイン科に所属していました。高卒後はインテリアデザインの専門学校に通い、最終的には健太郎の店『Simpson's Chocolate House』(『Simpson's Chocolate House』について)に就職します。もちろん、そこに落ち着いたのは健太郎とつき合っていたからですが、彼の父親ケネス・シンプソンケネスのプロフィールも春菜がこの店に入ることを強く希望していました。ケネスを含め代々シンプソン家の人々は、腕はいいがセンスがいまいち、というギャップに苦しんできました。作って売るチョコレートの商品名やパッケージデザイン、店内のレイアウト、季節ごとのディスプレイなどに苦労していたわけです(店の名前がそもそも直截な『Simpson's Chocolate House』ですからね)。そんな時、健太郎が春菜を連れてきたわけですから、当時のメインシェフ、ケネスが彼女に目をつけないわけがありません。

 

 春菜は芸術家でありましたから、内に秘めた情熱、というものを常に持っていました。しかし、外見は眼鏡を掛けた真面目そうな雰囲気、無駄なおしゃべりとは無縁の静かな印象、友人も多く作る必要を感じていないので、一人で行動することが多い、というように、やや暗くとっつきにくいオーラを身にまとっていました。

 そんな春菜を、お節介な夏輝夏輝のプロフィールが、高校一年の時に無理矢理友だちにしてしまったことから、春菜はこの夏輝と真雪真雪のプロフィール(この二人は中学来の親友同士)と三人で行動することが多くなりました。春菜にとってもこの二人は気の合う友人という意識が持てたのでしょう、それ以後もずっと親しく友情を育て合っています。

 

 健太郎は水泳界で名の通った言ってみれば『水泳オタク』。春菜とは住む世界の全く違う男子でしたが、春菜がこの健太郎の均整のとれた体つきに惚れ込み、友人真雪に頼んでその水着姿をスケッチさせてもらったことから、彼女の恋心に火がつき、そのまま健太郎に抱かれて交際が始まりました(真雪は健太郎の双子の妹です。念のため)。その時の健太郎は、決して衝動的な欲望のままに春菜を抱いたわけではありません。彼女が一心不乱に自分の身体をスケッチしている姿に強い衝撃を受け、春菜の中に自分にないものを見出し、その芯の強さと職人のように頑固とさえ思えるほどの探究心や向上心に心を打たれ、大きな魅力を感じたのです。

 優しく紳士的で人気者の健太郎が、彼にアプローチしてくるたくさんの女子の中からこの(一見地味な)春菜を恋人に選んだのは、彼女が自分の内面を見てくれて、支えてくれて、高めてくれる人だ、と確信したからに他なりません。

 

★春菜と健太郎の出会いについては『Twin's Story 8 "Marron Chocolate Time"』に詳しく描かれています。

 

『Chocolate Time』シリーズのおおまかな流れがわかる「Chocolate Time 総集編」はこちら

春菜春菜のプロフィール 健太郎健太郎のプロフィール

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