《警察官秋月と夏輝》

 日向 夏輝は工業高校卒業後警察官採用試験に現役で合格します。高卒の場合、警察官に採用が決まると警察学校に入って21か月間の『採用時教養期間』を過ごします。第一段階は座学中心の『初任科教養』、次が交番での『職場実習』、第三段階は再度学校に戻り初任補修科生としての勉強や訓練、そして最後の第四段階『実戦実習』という研修を積んでようやく一人前の警察官になるというわけです。

 その第四段階の現場での『実戦実習』で秋月は夏輝の指導教官を任ぜられました。当時25歳の秋月 遼は巡査長という立場で夏輝にマンツーマンでの指導を行い、彼女が立派な警察官になる手助けをしました。

 20歳になったばかりの夏輝はこの紳士的で真面目な巡査長の下でとても意義のある実習を行うことができました。その後二人は揃って生活安全課に配属され、すずかけ町二丁目の交番に勤務することになります。

 

 夏輝には高三から付き合い始めた天道 修平という恋人がいましたが、彼はその時大学生で、学業やサークル活動などが忙しく、二人はあまり頻繁に会うことができませんでした。実戦実習が始まって間もないある夏の日、夏輝は修平と会えない寂しさに、身近にいて親身になって世話してくれる秋月に甘えたい気持ちを抱いてしまいます。しかし秋月は自らの劣情に流されることなく、夏輝を温かく励まし、結果的に夏輝と修平の結びつきを確かなものにしてやりました。

 その時の秋月の態度や投げかけてくれた言葉に夏輝はいたく感動し、それ以降この上司を人間的に深く尊敬するようになります。

★そのあたりの経緯を描いた話 →外伝第2集第11話『男の矜恃タイム』

 

 ちなみに夏輝の恋人修平は子供の頃から続けている剣道の腕を磨くために大学でもサークルに入って活動していましたが、そのこともあって夏輝も警察官として修養を奨められている武道に剣道を選び、週に一度町の道場に通っていました。修平はわざわざ夏輝の通うその道場にも顔を出し、同じくそこに古くから籍を置く秋月とも昵懇になります。そして修平は秋月のことを「先輩」と呼び、秋月も修平を弟のように可愛がるようになっていきました。

 

★基礎知識『夏輝と修平』

★プロフィール・ページ →天道 夏輝 →天道 修平 →秋月 遼

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