第２集

天道 修平／天道 夏輝

日向 陽子

「夏輝夏輝夏輝夏輝っ！　好きだ！　愛してるっ！」

　修平は夏輝の身体中の匂いをくんくん嗅ぎながら、そこにひざまづき、太股にしがみついて、エプロン越しに頬ずりし始めた。「夏輝っ！　会いたかったっ！」

「ちょ、ちょっとちょっと、修平、玄関先で恥ずかしいでしょ。とにかく中に入りなよ、まったく……」

★文庫本換算18ページ

◆文字数　7045

◆読了時間　14分

　――結婚してまだ一年も経たない修平と夏輝の夫婦は、お互い三日離れているだけで身体が疼いてしかたがなかった。三日ぶりに研修から戻った修平は夏輝を見るなり････。

2013,4,13公開

シンプソン真雪／海棠　龍

海棠 ミカ／海棠 ケンジ

　すぐに家の奥から龍の母親、ミカ（４５）がやって来た。

「ミカさん、どんな具合？」焦ったように真雪は訊いた。

「今、部屋で寝てるよ。少しは熱は下がったみたいだけどね」

　どたたたた！　ミカのその言葉を聞き終わらないうちに、真雪は荷物をそこに放り出して階段を駆け上がっていった。

★文庫本換算19ページ

◆文字数　7579

◆読了時間　15分

　――仕事で某酪農研究所に来ていた真雪に、恋人の龍が倒れたという知らせが入った。真雪は大急ぎで海棠家を目指した。

2013,5,11公開

海棠　龍／シンプソン真雪

ケネス･シンプソン

春枝／香織

　龍は真雪の両手首を掴み、馬の手綱のように後ろに引き寄せながら、何かに取り憑かれたように激しく腰を前後に動かした。

　「龍、龍！ど、どうしたの？いきなり、あっ、あっ！」

　真雪は喘ぎ始めた。

★文庫本換算32ページ

◆文字数　12101

◆読了時間　24分

――二ヶ月半前に行きずりの男性と過ちを犯した恋人真雪を、激しく苦悩しながらも赦し、また懸命に愛し直した龍だったが、彼はその夜、真雪とその男が繋がり合う悪夢をみる。彼の心は、未だにその事件の後遺症に苦しめられていた。

2013,6,23公開

海棠 ケンジ／海棠 マユミ

和代

　「マユっ！」

　ケンジは一声マユミの名を呼ぶと、彼女の秘部に顔を埋めて、舌と唇で谷間を愛し始めた。

　「だめ！ケン兄、血が出てるから、あたし、あ、ああああ・・・。」マユミは慌てた。それでも彼女の身体は、いつになく熱くなっていった。

　ケンジは構わずその行為を続けた。そしてしばらくして顔を上げたケンジはマユミの目を見つめて切なそうに笑った。彼の口元は真っ赤な血に染まっていた。

★文庫本換算27ページ

◆文字数　9679

◆読了時間　19分

――禁断の恋愛関係にある双子の兄妹ケンジとマユミ。彼らが高二の１２月、ケンジは和代というマユミの後輩から告白される。

2013,7,15公開

海棠 ミカ／海棠 ケンジ

加賀 拓郎

「すっかり秋だね」

「思い出に浸るにはいい季節だ」

「浸るような思い出なんて、あったっけ？　ケンジ」

「あるだろ？　君との今までの時間。いつまでも浸っていたいほどの甘い思い出だらけじゃないか」

　ミカが呆れたように笑った。「本気で言ってるのか？　ケンジ」

「本気に決まってるだろ」ケンジも笑った。「そうだ、今度さ、久しぶりに大学に行ってみない？」

★文庫本換算49ページ

◆文字数　19605

◆読了時間　39分

――ケンジとミカが出会った大学のある町を久しぶりに訪ねた二人の前に、一人の男性が姿を現す。それはミカにとって忘れたくても忘れることのできない人だった。

2013,9,15公開

シンプソン健太郎／天道 修平

シンプソン真雪

　健太郎は、そこに鞄を放り出し、靴も履かずに表に飛び出して、修平に飛びかかった。

「な、何だ、おまえ！」修平は慌てて叫んだ。

　健太郎は修平をその場に押し倒して馬乗りになった。

★文庫本換算42ページ

◆文字数　14012

◆読了時間　28分

――シンプソン家の健太郎と真雪は、揃って地元の公立中学校に進学した。入学式当日、健太郎は別の小学校から来た天道修平というクラスメートと些細なことでつかみ合いの大げんかをしてしまう。

2013,10,20公開

シンプソン健太郎／月影 春菜

天道 修平／日向 夏輝

「すばらしい景色だねー」春菜がうっとりした声を上げた。

「ってか、俺たちこんなに登ってきたってことなんだな……」

「やっと着いたみたいだな。良かった……、俺もう一歩も歩けないよ」健太郎がそこに座り込んだ。

「なんだ、ケンタ。だらしねえやつだな」

　夏輝が健太郎のリュックに手を掛けて言った。「無理もないよ。この荷物の重さ、半端ないもの」

「大丈夫？　ケン」春菜がバッグからペットボトルを取り出して健太郎に渡した。

★文庫本換算55ページ

◆文字数　20143

◆読了時間　40分

――健太郎と春菜、修平と夏輝のカップル２組は、揃って秘境でキャンプをすることに。修平曰く、「何も無えところでキャンプするってのは、人間が野性に戻れるってことじゃねえか。食欲と睡眠欲、それに性欲を満たすためにやるってもんだぜ」

2013,12,14公開

日向 夏輝／天道 修平

秋月　遼

「夏輝さん、少しは気分、良くなった？」秋月の顔が目の前にあった。

「え？　は、はい……」

「僕が貴女の身体を癒してあげましょう。」

　秋月はそう言うと、夏輝の両頬を手で包み込み、そっと唇を重ねてきた。

　夏輝は目を見開いたが、抵抗しなかった。そればかりか、柔らかな秋月の唇の甘い感触に彼女は身体を熱くし始めた。

★文庫本換算43ページ

◆文字数　15344

◆読了時間　31分

――日向夏輝（２０）は、警察官採用試験にパスし、採用時教養期間の最後の段階の『実戦実習』に入っている。ある夏の日、実習指導員の男性巡査長秋月（２５）といっしょにパトロールしている時、彼女は恋人修平に会えない寂しさに涙をこぼしてしまう。それを見た秋月は……

2014,1,14公開