脇役~ケンジとミカの大学時代の仲間たち
稲垣 美紀(いながき みき)
美紀はミカと並び称されることの多かった水泳のエキスパート。ミカがそのダイナミックな泳ぎから「イルカ姐御」と呼ばれていたのに対し、美紀は細身な身体でスマートに泳ぐフォームから「サヨリお嬢」と呼び讃えられていました。
ミカとは飲み友だちでもあり、後輩たちを誘っては頻繁に生ビールのジョッキを豪快に煽っていました。
ミカ同様さっぱりした性格で、後輩の面倒見も良いのですが、大学を出てからも浮いた話が全くと言っていい程聞こえてこないので、ミカはかなり心配していました。
◆美紀が主役のお話
◆美紀と下の三人が登場するお話 外伝第1集 第7話 電撃告白タイム|外伝第2集 第3話 契りタイム
堅城(けんじょう)
身長180㌢の大男。その上筋肉質で、水泳サークル内では「ハルク」と呼ばれていました。ケンジ、小泉、久宝とともにチームを組み、メドレーリレーでは何度も表彰されました。
キック力の強さから、得意の背泳ぎでは、スタート時にすでに居並ぶ強敵から常に身体半分先に出ることが伝説として語り継がれています。
物事に拘らない豪放磊落な性格で、味方につければ怖いものなし、と後輩たちからいつも、どんなときでも頼りにされていました。
小泉(こいずみ)
リレーメンバーの中では最も小柄で華奢な体つきながら、伸びの良いクロールのフォームはピカイチでした。近視のくせに度付きのゴーグルを着けることを極度に嫌がっていたので、スタート台で何度も躓いてプールに落ちそうになりました。
いつも気むずかしい顔をしているニヒリスト。眼鏡に曇りや埃があるのを嫌い、常にレンズを拭いているという几帳面さも。
かといって人付き合いが悪いわけではなく、他のメンバーは彼を適当にあしらうことを知っているので、彼としても一緒にいて居心地がいいようです。
久宝 洋輔(くぼう ようすけ)
大学の裏手の歓楽街にある『居酒屋 久宝』の一人息子。ミカや美紀は飲みに行く時は必ずここを一次会の場所にしていました。ミカも美紀も払いが良く、上お得意様でしたから、この店の主人も、刺身や焼き鳥などをどんどんサービスしていました。
久宝本人はメンバー内では平泳ぎ担当。水の中では陸上以上に自由自在に身体を動かすことができていたので、サークル内では「ヒキガエル坊ちゃん」と呼ばれていました。
彼女を作ってはすぐ別れ、また別の彼女を作って……と、なかなかの遊び人で、そのことをいつもミカや美紀から咎められていましたが、本人はさほど気に掛けていなかったようです。