Twin's Story 外伝 "Hot Chocolate Time" 第2集
第12話 夫婦交換タイム
《登場人物》
夫婦交換タイム
1.幸せな夫婦|2.フラッシュバック|3.交渉|4.キス|5.ホテル|6.浴室|7.ドリンク|8.前戯|9.昔話|10.クライマックス|11.もう一つのクライマックス|12.余韻
〈1.幸せな夫婦〉
K市すずかけ町。この地方も例年よりやや遅く、昨日梅雨明けしたという報道があったばかり。
共に4歳になる双子の兄妹健吾と真唯を寝かしつけた後、二人の父親龍は自分たち夫婦の寝室に戻り、ドアを開けて少し眠そうな顔をドレッサーの前にいた愛妻に向けた。
真雪は振り向いて微笑んだ。
「ありがとう、龍。子どもたち、おとなしく寝てくれた?」
「健吾はあっという間だったね」
彼はあくびをかみ殺した。
龍はベッドの端に腰を下ろして、スウェットの上を脱ぎ始めた。
真雪も椅子を立って、龍と並んでベッドに座った。龍は真雪の身体に腕を回して抱き寄せ、裸になった上半身に押し付けた。「でも真唯はさ、何度も絵本を繰り返し読め、ってなかなかしつこかったよ」
「真唯のお気に入りだもんね、『ぐ○と●らのえんそく』」
「いっしょに体操する勢いで大興奮さ」龍は苦笑いをした。
「ごくろうさま」真雪は微笑んで龍にキスをした。
「ようやく真唯の目がとろんとしてきたと思ったら、俺も眠くなっちゃって」
「気持ちいいよね、子どもたちと一緒にベッドにいると」
「うん。もうこっちまで幸せな気持ちになるよ。二人の寝顔は最高の癒やしだね」
「で、いつものように仲良く手つないで寝てるの?」
「俺が部屋を出る時には二人で抱き合ってた」
「ほんとに?」
「そのまま禁断の関係にならなきゃいいけどね、誰かと誰かみたいにさ」
龍は笑った。
――海棠 龍(26)と海棠真雪(30)は元々いとこ同士。今から5年前の2月に二人は結婚し、その年の12月に健吾と真唯が生まれた。
龍は高校卒業後地元の新聞社に入社し、得意のカメラワークで、取材の最前線を駆け回っていた。一方真雪は動物飼育のノウハウを学ぶ専門学校を出て、現在は町のペットショップを切り盛りしている。
龍の父親、海棠ケンジ(50)と真雪の母親シンプソン・マユミ(50)も双子の兄妹。
この二人、実は今から30数年前、高二の時に兄妹でありながら一線を越えてしまい、それから約二年半の間、お互いの身体を求め、癒し合う禁断の関係を続けた。しかし、ケンジが大学に進学したのを機に、二人は泣く泣く別れ、マユミはケンジの親友だったケネスと結婚した。ケンジの方は、大学の二年先輩のミカと卒業後結婚し、彼が23歳の時に息子の龍が生まれた。
マユミとケネス夫婦にも男女の双子が授けられた。マユミが20歳の時に産んだ、健太郎、真雪と名づけられたその兄妹は、世にも珍しい『異父双生児』である。つまり、マユミが同時に排卵した二つの卵子に、それぞれ違う男性の精子が交わって、結果父親が違う双子が生まれたのだ。
双子のうち、妹の真雪はマユミとケネス夫婦の子、しかし兄の健太郎の方は、実はケンジの血を引く子なのだった。
「君とケン兄(健太郎)もずっといっしょに一つのベッドで寝てたんでしょ?」
「小学校の頃までね。やっぱり手を繋ぎ合って寝てたんだよ」
「妙な気にならなかった? って、そんな気になるのは男のケン兄の方かな」
「ケン兄は純情で奥手だったからね」
「触られたり抱きつかれたりしなかった?」
「しなかったよ。覚えてる限りではね。ケン兄はいつもあたしより先にすぐ寝入ってたし。うちの健吾みたいにね」真雪は笑った。「って、龍、あなたもう何も着てない」
「えへへ……」龍は照れたように頭を掻いた。「真雪も脱いでよ」
「もう、龍ったら……。眠くなってたんじゃないの?」
真雪も顔を赤らめて着ていたパジャマを脱ぎ始めた。
「さっきのキスで目が覚めた」
龍は、下着姿になった真雪をそっとキングサイズのベッドに横たえ、覆い被さって唇を彼女のそれに押し当てた。
「んっ……」真雪は甘い呻き声を上げた。
長い時間をかけ、龍と真雪はお互いの唇や舌を味わい続けた。その行為を続けながら龍は真雪の背中に手を回し、一度そっと抱きしめた後、ブラのホックを外してそのまま彼女の腕から抜いた。そして露わになった大きくて柔らかい二つの膨らみを両手で円を描くように撫で、さすった。
二人の濃厚なキスはずっと続いていた。いつしか合わせられた口の隙間から、二人の唾液が幾筋も真雪の頬を伝い、薄いピンクのピローケースに吸い込まれていった。
龍が口を放し、真雪の右頬を優しく撫でながら微笑んだ。
「チェリーの匂いがする」
「龍も」真雪もにっこり笑った。「食事の時、子どもたちといっしょにいっぱい食べてたからね」
「チェリーを食べると思い出すよ、強烈に」
「何を?」
「君との初めての夜」
「そうか、そうだね。あたしたちの初体験、丁度今頃だったね」
「えっと……、あれは俺が中二の時だったから、今から13年前!」
「もうそんなになるんだね」真雪は嬉しそうに言った。
「お互いに摘み立てのチェリーを食べさせ合った夜」
真雪は不意にぎゅっと龍の身体を抱きしめた。「龍ー」
「ど、どうしたの? 真雪」
「龍、好き。大好きだよ……」真雪は龍の胸に顔を埋めてくぐもった声で言った。
「俺も。大好きだ、真雪」
「抱いて、龍。もっと抱いて」
龍は真雪の背中に腕を回してきゅうっと抱きしめた。真雪はうっとりしたように大きなため息をついて、彼の身体を抱き返した。
龍の温かな手が、真雪の背中と腰を行き来した。その度に真雪は小さな喘ぎ声を上げながら、身体を震わせた。
「龍……龍……」
「真雪……」
しばらくして真雪は目を開けて龍に微笑みかけた。
「龍に抱かれるだけで、あたしイっちゃいそうになる」
「そうなの?」
「うん。とっても気持ちいい。龍の腕の使い方は天下一品だよ」
龍は頭を掻いた。
「龍、ねえ、下になってよ」
「え?」
「龍の、もうこんなに大きくなってる」真雪は龍のペニスをそっと握った。「わあ! 熱いよ、もうこんなに……」
「真雪ー……」龍は少し困った顔をした。
仰向けになった龍のそそり立ったペニスの先から透明な液が糸を引いて垂れていた。
「龍の体温を感じたい」真雪はそう独り言のように言うと、躊躇わずその先端に舌を這わせ、何度も舐めた。
「あ、ああ……」龍は身体を仰け反らせて喘いだ。
やがて真雪の口の中にペニスが深く吸い込まれた。
「んっ!」
温かく包みこまれるその感触に、龍は図らずも絶頂を予感した。
「だ、だめっ! 真雪、離れてっ!」
龍は慌てて身体を起こし、真雪の頭を抱えて引き離した。
真雪は口元を手で拭いながら、つまらなそうな顔をした。
「出そうなら、出してもいいのに……」
「だから、苦手だって、いつも言ってるでしょ。い、いっぱい出ちゃうし……」龍は赤くなってベッドの脇にあるサイドボードの小さな引き出しから正方形のプラスチックの包みを取りだした。「とにかくいやなの。口に出すのは」
「時にはほしいよ。あたし龍の出すものを口に入れると幸せな気分になれるし、身体も熱くなってとっても興奮するんだよ」
「そ、そうなの?」
「うん。それに龍はあたしだけのもの、っていう独占欲が満たされるんだ」真雪は上目遣いで龍の目を見た。
コンドームを着け終わった龍は申し訳なさそうな顔をして真雪の手を取った。「その代わり、俺がいっぱい真雪を舐めて感じさせてあげるから」
龍は真雪を仰向けに寝かせた。
「黒いランジェリー、2組持ってるよね、真雪」
「うん。龍は好き? 黒の下着」
「好き好き! 何だか妖艶で、真雪に取り殺されそうで興奮する」
「何それ。あたしは妖怪か何か?」
真雪は龍の鼻の頭を小突いた。
「さあ、覚悟して」龍はピッタリと張り付いたその光沢のある黒いショーツを静かに真雪の脚から抜いた。そして両膝に手を置いて、ゆっくりと広げた。「ご奉仕させていただきます」
龍は真雪の秘部に顔を埋めた。そしてゆっくりと大きく何度もその谷間を舌先で舐め上げた。
「あっ、ああっ……」真雪はその度に身体を硬直させて喘いだ。
龍の舌が谷間の内側に入り込み、細かく震えるように動いた。そして静かに抜き差しが始まると、真雪はいっそう身体を仰け反らせて呼吸を荒くしていった。
「龍、龍、気持ちいい、あああ……」
真雪の両脚を抱え込み、龍はさらに強く口を彼女の秘部に押し付けた。それから堅く隆起した茂みの下の粒を唇でそっと挟み込み、舌の先を使って回転させながら柔らかく刺激した。
紅潮した真雪の全身がしっとりと汗ばみ、びくびくと大きく波打ち始めた。
「龍、龍っ! も、もうイく、イっちゃう! あたし、あ、あああああーっ!」
龍は舌の動きを大きく、速くしていった。
「んはあっ!」真雪が大きく息を吐き出し、そのままぐったりと身体から力を抜き去った。
龍はゆっくりと身体を起こした。そして真雪に覆い被さり、彼女の前髪を掻き上げて汗の光る額に自分のそれを押し当てた。
真雪はまだ、はあはあと大きく熱い呼吸を繰り返していた。
「イってる真雪って、いつ見てもかわいいね」
真雪は恥ずかしげに言った。「もう、龍ったら……。あたしもう30だよ? かわいいなんて言われる歳じゃないよ」
「俺にとってはいつまでもかわいいのさ。真雪は」
龍は真雪にキスをした。
「お願い、身体が熱いうちに来て、龍」
龍はにっこりと笑った。「うん。わかった」
龍は薄いゴムの被せられたペニスの先に、自分の唾液を塗りつけると、それを真雪の秘部にそっと触れさせた。
「いくよ、真雪」
真雪は顔を赤らめたまま黙ってうなずいた。
ゆっくりと、少しずつ龍のペニスが真雪の谷間を押し広げながら中に入り始めた。
「あ、あああ……」真雪はまた熱い吐息で応えた。
「い、いい気持ちだ、真雪」
「龍」
「温かくて、包まれる。いつもみたいに……」
「龍が入ってきてる……あたしこの瞬間大好き。龍、龍……」真雪はうっとりしたように言って目を閉じた。
龍は真雪の身体に倒れ込んで、抱きしめながら胸を真雪の乳房に押し当てて動いた。同時に腰も上下に静かに動かし始めた。
「龍、龍……」
真雪の息がまただんだんと熱く、速くなっていく。
二人の身体は一つになって大きく揺れ動いた。ぎしぎしと大きなベッドが音を立て始めた。
龍の息も荒くなってきた。二人の全身には汗がびっしりとこびりつき、光っている。
「ま、真雪、真雪っ!」
「龍!」
真雪の中の粘膜が細かく蠕動を始め、包みこんでいた龍のペニスを身体の奥深くまで吸い込んだ。
「あああっ!」
龍は身体をびくんと硬直させた。
龍のものは真雪に強力に締め付けられ、動かすことができなくなった。そしてその全体を熱くぬるぬるした粘膜が包みこんだまま、まるで別の生き物のように緩急織り交ぜながら震え、脈動し、吸い付いた。
「ま、真雪っ! だ、だめ、だめっ! ああああ!」龍は大きく喘いだ。
龍の絶頂感は最高になっていたが、何故かいつまでも射精の反射が起こらなかった。いつしか龍の目には涙が浮かび、額や首筋からは脂汗がしたたり落ち始めた。
「りゅ、龍、まだだよ、まだイかせないから」真雪も大きく息をしながら背中に回した腕に力を込めた。
「ごめんなさい! 真雪、真雪っ! も、もう限界だ! イ、イかせて、イかせて下さいっ! ぐああああーっ!」
龍はその中心を固定されたまま、身体をうねらせて激しくのたうち回っていた。
「ごめんなさい、ごめんなさい! 許してっ!」
「龍っ! イってっ!」
出し抜けに真雪が叫んだ。
ガタン!
ベッドが大きな音を立てて跳ねた。
「ぐううーっ!」
龍の身体が大きく仰け反り、びくびくと痙攣を始めた。
びゅくっ……
「ぐあああー! ああああーっ!」
びゅるびゅるびゅるっ! びゅびゅっ!
龍の激しい射精と共に、二人の身体は同じようなリズムで跳ね上がり、振動し、波打った。
いつまでも全身を脈動させている龍の後頭部に手を当てて自分に押し付けながら、真雪は強く龍の口を吸った。
んっ! んっ! んんっ! 龍は腰の脈動に合わせて何度も喉元で呻き、熱い息を真雪の口の中に送り込んだ。
真雪の上にぐったりと身体を覆い被せたまま、まだ熱く激しい呼吸を繰り返している龍の汗ばんだ背中を、真雪は温かい手でそっと撫でた。
「ま、真雪……」
「龍、満足した?」
「俺、もうだめだ……強烈にやられちゃったよ、久しぶりに」
ふふっと笑って真雪は龍の身体を抱いた。「龍がイってる姿って、いつ見てもかわいいね」
「こいつめ」龍は微笑みながら真雪の額を小突いた。
「龍がいっぱい感じてくれると、あたしもとってもいい気持ちになれるよ」
「今日のは特にすごかったよ。消耗が激しすぎ」
真雪はくすくす笑った。
「何だよ……」
「だって、龍ったら、喘ぎながら『ごめんなさい』はないでしょ。おかしいよ」
「あのね、君には解らないだろうけど、イきたくてもイけない状態っていうのは、男にとって拷問だよ?」
「そうなの?」
「もう、謝らずにはいられないんだ」
「そんなに?」真雪は少し申し訳なさそうな顔をした。「じゃあ、あんまりやんない方がいいのかな、あのワザ……」
「いや、やってほしい」龍は真剣な顔で言った。「すっごくいいんだ、その拷問感が。もう最高だよ」
真雪は噴き出した。
「あははは! 龍ったら、M男だったんだね」
「いやいや、M男じゃなくても、あれは絶対病みつきになる」
「そう?」
「真雪のあの強烈技にかかったら、どんなオトコでもイチコロだよ」
「残念でした。他のオトコになんか、このワザは使ったりしません」
真雪は龍にキスをした。
→この真雪の必殺ワザは「吸引拘束寸止め攻撃」と言います。
息を整えながら、ベッドの横に立ってコンドームの後始末をしている龍の背中に向かって、真雪は小さな声を投げた。「ごめんね、龍」
龍は頭を真雪に振り向かせた。「え? 何が?」
「面倒でしょ、それ、着けたり外したりするの」
「全然平気。もう慣れた。13年間続けてるから」龍は笑いながらベッドの端に腰掛けた。
「今日もいっぱいだね。すっごく膨らんでる」真雪はおかしそうに言った。
「だって、特に強烈だったんだもの、今夜の真雪」
「それだけいっぱい出すっていうのが、龍の特技の一つだよね」
龍は口を結んだそのゴムの袋を持ち上げて言った。「こんだけの量を君の口の中に出すってことだよ? 俺が口内発射をいやがる気持ち、わかるだろ?」
「全然。かえって嬉しいよ。ごくごくいつまでも飲んでいられるじゃない」
「やめてっ!」龍は豪快に赤面した。「なんだよ『ごくごく』って……」
真雪は身体を起こして龍を背中からそっと抱きしめ、それから手を伸ばして彼の太股を優しく撫でた。
「あたし、龍と結婚できて、本当に良かった……」
「どうしたの? 急に」
「だって、龍といる時は、いつもずっと幸せだもん」
「照れるよ。今さらそんなこと言われたら……」
龍は真雪の身体をそっと抱いてベッドに寝かせ、自分もその横に寄り添った。
「ずっといてね、あたしの中に」
「いるよ。もちろん」
龍は身体を横に向けて真雪を抱いた。
「幸せ……」
真雪はそのまま静かに寝息を立て始めた。
龍もその真雪の愛らしい呼吸音を聞きながら眠りに落ちていった。